「年々中学校の数学を完全にマスターできないまま入学してくる生徒が増加しています。しかし、補習をしても、苦手意識を持っている生徒が1時間机で学ぶのはきつく、効果もあまり上がらず悩んでいました。そこで、本校にはCAIを設備したコンピューター教室がありそれを使わない手はない、と東京国際ブックフェアにソフトを探しにいったのです」と語るのは、大森工業高校数学科の安達毅先生。
同校では、4年前に株式会社メディアファイブのゲーム感覚で学べるソフト「中学数学」を導入。基礎ソフトで合格点に満たない1年20人程度の生徒を対象に、「中学数学」を利用して教員3人がついて補習を行っている。帰りのホームルーム後、異様室にすぐくる生徒が半分近くいるのは、それ以前では信じられないことだ、とか。手放しで学力がつく、とまではいかないが、生徒は繰り返し学べば理解できるようになることを学んでいくという。
今年「中学数学」の利用効果を踏まえ、株式会社メディアファイブの「基本情報技術者試験」、「初級シスアド試験」など3種類のソフトを新たに導入した。「(同社のソフトは)教材の作り直しや学校の要望を受け入れてくれるメリットが大きい」と情報技術科の立花文雄先生は同社ソフトの利点を説明する。
中学数学は導入後、生徒の学習履歴が校内LANにより先生機に集約されるようにするなど学校の要望を入れて改良、今回導入した基本情報などのソフトも資格試験の合否の関係を見ながら改良していくという。
同校は旧文部省の光ファイバー利用研究指定校、文部科学省・総務省の共同事業である学校インターネットの参加校。コンピュータ教室は5教室、全部で約300台のコンピュータを持つ。
授業オ一端を紹介すると、情報技術科では2年生でWindowsパソコンを18時間かけて組み立て、3年生ではFreeBSDを使ったインターネットサーバを全員が立ち上げ、さらにキーボードの前夜マザーボードの一部のプリント基板を模写させて、IT技術の全体量を実感させるといった特色ある授業も公開している。
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